エイズの症状を段階ごとに解説

患者と話している医者

HIVに感染してからエイズになるまでには段階があります。他の性病と違ってかなり長い期間かかって発症するため、気がつかないままの人も多くいます。自覚症状がない期間が長いため、早期発見には検査をする必要があります。また感染してもエイズにならないようにウィルスの増殖を抑えることもできるので、最近では死なない病気になってきました。

感染から発症までの経緯にはウィルスの量とCD4陽性リンパ球数が密接に関係しています。CD4陽性リンパ球数は体に有害なものが入り込まないように防ぐ免疫の一つです。人間はその働きによって細菌などに影響を受けずに生活することができます。そのバランスが崩れることが、とても危険な状態になる原因です。ここで治療をすることで抑え込むことが可能です。

HIVに感染すると2週目から4週目で急性期と呼ばれる段階に入ります。この時には血中のHIVの数に急激な増殖が始まり、CD4陽性リンパ球を破壊し始めます。免疫力が下がった体は、発熱やのどの痛み、だるさ、下痢などの症状が見られる状態です。ただし、風邪やインフルエンザなどに似た症状なため、気がつくことはありません。他にも筋肉痛や体のかゆみなどの自覚症状がありますが、いずれも数日から数週間で自然に治癒します。症状が消えれば急性期は終了です。

その後、無症候性キャリア期に移行します。この時のHIV量は緩やかに増殖します。名前の通り特に自覚症状がないまま、数年から10年ほど無症候性キャリア期が続きます。個人差がありなかなか発症しない場合もあります。中には15年も無症状が続いたケースもあるくらいです。この段階でもウィルスは体の中に存在しているため、感染するリスクはあります。そしてCD4陽性リンパ球はHIVの増加に反比例するように減少している状態です。免疫力は低下していき、長く続く下痢や体重の急激な減少、帯状疱疹や口唇カンジダなどが発症するようになります。

その後弱った体の中ではウィルスに急激な増殖が起こり、CD4陽性リンパ球は急激に減少していきます。そしてある程度まで弱まると日和見感染が抑えられない時期に突入です。日和見感染は通常は無害な体内細菌に感染することです。個人差はありますが悪性腫瘍や神経障害などが見られる場合もあり、さまざまな病気にかかるようになります。この時期に厚生労働省がエイズ診断基準として指定した23の疾患のうち、一つでも発症していればエイズ期として診断されることになります。

エイズ診断基準によってエイズ期と診断されるまでは、エイズを発症していない状態です。2週目から4週目の急性期のうちにウィルスを減少させるような治療を行うことで、発症をコントロールすることが可能です。そのためにはおかしな症状があった時に、思いあたるようなことがあれば検査を受けておきましょう。陽性になったとしても日常生活を送ることは可能です。最も怖いのは何もしないで放置することです。早めの発見が発症を抑える可能性を高くします。